短歌の練習教材として百人一首の本歌取りもどきを書いてみた⑲091~096
久々にこの企画が出来ます。
お楽しみ頂けますと幸いです。
本歌091
後京極摂政前太政大臣
きりぎりすなくや霜夜のさむしろに
衣かたしき独りかも寝む
本歌取り091
霜を踏む刻を遠きに想ふ風
独り寝の夜に桃弁(ももびら)の舞
本歌092
二条院讃岐
我が袖は汐干に見えし沖の石の
人こそ知らね乾く間もなし
本歌取り092
沖の石に人知れぬ書く告白文
波が受け取り日射しが溶かす
本歌093
鎌倉右大臣
世の中は常にもがもな渚こぐ
海士の小舟の綱手かなしも
本歌取り093
世の網は蜘蛛糸状に張り巡る
渚遠くの小舟でさえも
本歌094
参議雅経
みよし野の山の秋風小夜更けて
故郷寒く衣うつなり
本歌取り094
新年度ソメイヨシノの夜宴
故郷からの地酒片手に
本歌095
前大僧正慈円
おほけなくうき世の民におほふかな
わが立つ杣に黒染の袖
本歌取り095
黒染めのTシャツプリント袖口に
うき世の春を願い「ピース」と
本歌取り部分のみ
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企画趣旨↓